天使の歌


いつものように、村の近くの森へ行き。

いつものように、切り株の上で胡坐を かいて、俺は精神統一を していた。

父さんから、いつも言われている。

きちんと気持ちを作っておかないと、いざと言う時、何も護れない、と。

だから、毎日の精神統一は、俺の日課に なっていた。

黙って目を閉じていると、森の中に居る沢山の神霊(みたま)が、頬を優しく撫でて行く。

これを神力として使うか、邪力として使うか。

決めるのは貴方 次第と、母さんは言う。

天界に住んでいるからには神力を使いたいが、邪力も強くて格好良い。

まだ弱い神力しか使えないけど、いつか2つの力を使い熟したいなぁなんて、漠然と考えている。

今日、邪力の練習、してみようかな。

そう思った時。

気配を感じ、俺は目を開けた。

10メートル程 離れた場所に、リー達5人が居た。

「おい、混血(ハーフ)。ちょっと こっち来いよ。」

不敵に笑うリーの顔を見て、嫌な予感が躰を貫いた。

「…………。」

俺が動こうとしないのを見て、リーの取り巻き4人は近寄って来ると、俺の両腕を掴んだ。

「!?」

驚いて、息を飲む。

いつも、汚いとか、穢れてるとか言って、決して直接 触ろうとは しなかったのに。