実の兄にさえ、愛されなかった。

悪魔にも受け入れて貰えなかった。

“シーク”にも、裏切られた。

――ずっと、独りなんだと思っていた――。

(……キュティ……。)

俺も、君が好きだ。

でも、だからこそ、傷付いて欲しくない。

俺は、最期迄 独りで大丈夫だよ。

俺の全てを、教えるから。

こう言う人も居たなぁって、君が死ぬ間際の走馬灯の、ほんの片隅にでも、思い出してくれれば、良いから。

だから、君は……。



想いを焔の神霊(みたま)に託して。

セティは、目を閉じた。