天使の歌


「っ!!」

思わずディリーの腕を掴もうとした右手を、彼女は足で押さえ付けた。

「触らないで。私の手迄、落とすつもり?」

それを聞いたセティの瞳は見開かれ、哀しげに、揺れた。

「……っ……。」

息が出来ず、苦しさに目を閉じる。

セティの喉が ごくりと動いたのを見て、ディリーは漸く手を離す。

セティは乱れた呼吸を調えていたが。

顔を背けると、吐いてしまった。

吐き気は中々 治まらず、胃液が床に飛び散った。

ディリーは溜め息を つくと、苦しそうに吐き続けるセティに背を向け、独房を出て行った。