天使の歌


「何だよ?」

「……キュティは……諦めてくれ……頼む……。」

セティはスティの瞳を必死に見つめる。

「俺は どうなったって良い。だから、彼女だけは――。」

「あははははは!!」

セティの言葉を遮るようにスティは大声で笑い。

「っ!!」

セティの後頭部を、踏み付けた。

セティの顔が床に押し付けられる。

「今迄その身 可愛さに何人もの天使を殺して来た お前が、どうなっても良い、だぁ?笑わせんじゃねェよ。」

セティの頭を ぐりぐりと踏み付けたまま、スティは真顔に なる。

「何故あの女1人の為に、其処迄 言う?」

(……何故?)

答えが、解らない。

困惑するセティを見下ろして、スティは笑った。

「お前、あいつの事、好きなんだろ。」

「!!」

その言葉に、セティは息を飲み。

否定しなかった。

動揺するセティの頭から足を離し、スティは再び独房から出て行こうと する。

「待っ……!!」

思わずセティが手を伸ばすと。

「あっ……!!」

スティは、セティの顔を横殴りに蹴った。

吹き飛ばされ、壁に強かに頭を ぶつける。

その場に崩れ落ちたセティを見て、スティは鼻で笑うと、今度こそ独房を出て行った。