歌う為に心を落ち着けながら、考える。

(……そっか。)

これが、好きって事なのかな?

セティの綺麗な銀髪が、
深い闇を抱えた紅い瞳が、
女の子より白い肌が、
私は好きだ。

セティが他の人と関わらないのに ほっとするし、私だけに笑ってくれるのが嬉しい。

傷付いて欲しくないって思う。



恋を した事が無いキュティは、今一 実感が湧かなかったが。

(セティとなら。)

何だって出来る。
何処へでも行ける。

頑張れる。



キュティは深く息を吸い、歌い出した。

高く澄んだ声が辺りに響く。

助けたい事。
味方が居る事。
会いたい事。

――貴方が好きな事。

それ等を歌に乗せ、キュティは歌を空に飛ばした。