「藍……?!」

優花が、顔を真っ青にして藍に近寄った。

「優花…」

藍は、優花の腕を引っ張ってソイツから離させようとした。…だけど、ソイツは諦めてなくて…。

「優…花から手離せ…」

「嫌。って言ったら?」

「お前の事殺す…」

ソイツは、藍に殴りかかる。…でも、その時…。

「やっ、ヤメて!!!」

優花の、声が建物内に広がる。

「喧嘩は、ダメだよ…。誰も良い思いしないんだよ…?…尚矢…怪我手当てするから、救急箱貸して…?」

「………あぁ」

「優花…」

「藍、大丈夫?手…」

「うん…。多分…」

優花は、藍の手を優しく包み込む。両手でも、やっぱり手は小さくて藍の手がはみ出てた。

てか、藍、顔赤すぎじゃね?!アイツ、本当に分かりやすいな…?!

「良かった…。…愛美…。早く、総長様と話した方が良いよ?もう、学校始まっちゃうし」

「今日は、サボるから良いんだ。おい、総長。別室で話すぞ…」

「あぁ………」

小さい奴と、女が奥の部屋に入って行った。

「ふぅ……。皆、ごめんね?迷惑掛けちゃって……」

「別に迷惑じゃないよ?…優花が、危険な目に遭ったら助けるのが普通だから」

「ありがとう…」

「うん」

「優花、コッチに来い」

アイツが、ソファに座って手招きをする。優花は、ソファの側に行ってソイツの隣に座った。
すると、急にアイツは優花を抱き締めて自分の間に座らせた。

「……尚矢?」

「んだよ…」

「痛い」

「コレ位我慢しろ…。馬鹿アホ女…」

「………はーい」

優花が、尚矢って奴に抱き締められてると、会長が優花の腕を自分の引っ張って後ろに連れて行く。

「んだよ…お前…」

「会長だ。…俺達の優花に触るな…」

…………?!あの、会長が?あんな事言うのか?!

「お前、まだコイツ好きじゃねんだろ?だったら、関係無いじゃねぇか」

「それは、昨日までの話」

………はっ??!!マジで?!会長が、急に?!何でだ?!

「はっ……?」

「優花が俺から離れてから、分かった。…コイツは俺の側に居ないとダメだ。…だから、俺はコイツと一生離れるわけには、いかない…。だから、離せ。俺の優花だ…」

「かっ、会長?」

優花はビックリした顔で、会長を見上げる。

「ふんっ。ここで愛の告白か…。馬鹿じゃねえの?」

「誰が、愛の告白だ。…優花が、居なかったらダメってだけだ。勘違いするな」

生徒会メンバー、皆がその場でずっこける。

「それ、好きって意味じゃなかったの?」

蓮が苦笑いしながら、会長の背中を軽く叩いた。

「はっ……?好きって意味に、聞こえなかったか?…俺は、優花が好きって言ったんだ。何を言ってんだ。蓮」

「いや、いや、コッチが聞きたいよ。…何?祐希は、優花ちゃんの事恋愛として好きなの?友達として?」

「うーん……。どっちだ……?」

「コッチが聞いてるんだって……」

「……分からない。分からないぞ!これは、恋愛としてなのか?友達としてなのか?」

会長が、頭をガシガシっと掻いて歩きながら叫ぶ。