「会長ー!離してって!」

「俺と、もっと遊べー!」

会長……。本当に子供ぽいんだから……。

「ちょっと、誰か助けて!!」

要君、凄い怒ってるし…。助けてあげないと…。

「会長、離してあげて下さい!要君が困ってるじゃないですか!」

私が、要君の手を引っ張ると会長は直ぐに要君から手を離す。

「優花、ありが…」 

要君が私にお礼を言ってる途中に私の視界が揺れる。

気付いた時には、私は会長に腕を引っ張られてプールの中に入り込む。私と会長は、バランスを崩してプールの奥底まで落ちる。

その時、水と一緒に私と会長の唇は触れ合う。

「………ふぁ。ゴホゴホゴホ……。ゴホ…。ゴホ、ゴホ」

鼻の中にプールの水が思いっ切り入って苦しい……。…ていうか…。私、会長と…。って、無い無い。考え過ぎ、考え過ぎ。

少し遅れて会長が、プールの中から出てくる。

「ゴホ…ゴホ。…ゴホ…。…ゴホ…。おい!優花はもっと、上手に潜り込めないのか!」

会長が、出てきたと思ったら私に文句を言う。

「無茶言わないで下さい!急の事だったんですから!」

「本当だよ。…優花、大丈夫?」

藍が、私の手を引っ張ってくれる。私は、プールから上がる。

「うん……。大丈夫……」

「はい、タオル」

「ありがとう」

私は、藍からタオルを受け取る。

「濡れてる優花ちゃん、可愛いー!!」

後ろから直樹君が私に抱き付く。いつもは、服の上からだけど、今は肌と肌が重なって変な感じがする。

「ちょっと、直樹!優花から、離れてよ!」
雪斗が、直樹君と私の体を引き剥がそうとする。

「えー。嫌だー!」 

「早く離せよ…。バカ…」

藍が、直樹君の背中を何度も殴る。

「分かった、分かった。…ちょっ、藍!痛いから…」

「早く離せ……」

「はい、はい。離しましたよ…」

「ハックシュ。ハックシュ……」

要君が、クシャミをする。

「大丈夫?要君…」

「大丈夫。……優花、さっきは、ありがとう。助けてくれて」

「全然大丈夫だよ!困ってたら助けるのが普通だし!」

「…………」

私が、笑顔で言うと要君が、黙る。会長のせいで、要君が風邪引いたかもしれない。顔が、ほんのり赤い。

「要君?」

「………ん?なっ、何?」

あっ、大丈夫か。元気だった。

「何でも無いよ。ちょっとね」

「そっか……」

「うっえくしょん!!!!」

「かっ、会長?!大丈夫ですか?!」

「大丈夫なわけ無いだろ!早くタオル貸せ!優花!」

「………野菜食わせますよ?」
 
「すいませんでした。タオル取って下さい」

「宜しいです。はい、どうぞ」

「おぉ、ありがとう!」

会長は、プールから上がってタオルを受け取る。

「ふぅ………」

「もう、プール飽きた!遊園地で遊びたいぞ!」

「じゃあ、会長の提案で遊園地に遊びに行こうか」

蓮さんが、頭を拭きながら言う。皆も、それに頷く。

「じゃあ、着替えて建物前に集合!」

「分かりました!」

私達は、更衣室に入って着替える。
昨日も遊んだけど、楽しみ!こんなに、続けて遊園地で遊んだこと無いから…。
ちょっと不思議な気分!!早く着替えよっ!