「ん………。あっ、朝だ……」

……昨日の怖い話凄い怖かったなぁ。……あっ、藍起こさないと……。

「…藍、藍、起きて?」

私は、藍の体を揺らす。……藍って寝顔ヤバい。可愛い……。

いつもは、メガネをかけてるから、大人っぽいけど…。メガネを外すと、子供っぽくて、あどけなさが残る寝顔……。

藍は、数秒経ってから、ゆっくり目を開ける。

「……優、花……。おはよう…」

「うん。藍、おはよう。朝だよ?」

「分かった……」

藍が、ゆっくり起き上がる。

「じゃあ、準備しよ?朝ご飯食べに行かないと…!」

「うん。でも、後五分……」

「ダーメ。藍、起きて」

「……五分もダメ?」

くぅぅ……。藍の上目遣いにも負けないぞ……!!

「ダメだよ。起きて……」

「………お願い。……五分だけ」

負けた……。藍が可愛すぎる……。

「……本当に五分?」

「うん。約束…」

「じゃあ、五分経ったら起こすね?」

「分かった…。お休み…」

「……お休みなさい」

五分経った後、私が起こすと藍はちゃんと約束通り起きてくれた。十分位で私達二人は準備を終えて、朝ご飯を食べる場所に行く。

「おはようございます」

「……おはよ」

朝ご飯場所には、会長と蓮さん。風真君と要君がいた。

「おはよう。優花ちゃん、藍」

「………はよ」

「おはよう。優花、藍」

「おはよう!!優花と藍」

そういえば、雪斗と直樹君がいない……。

「………あの、雪斗と直樹君はどうしたんですか?」

私は、蓮さんに聞く。蓮さんは、少し黙って……。

「それが、まだ来てないんだ…」

「そうなんですか……。二人とも…どうしたんだろ?」

「……まだ…寝てるだけ…じゃね?後、30分位……来なくても…大丈夫だろ」

風真君は欠伸をしながら、ゆっくり喋る。

「じゃあ後、30分位待とうか。来なかったら、皆で様子を見に行こうか……」

蓮さんが、机に頬ずえをつきながら天井に付いてる時計を見てた。

「……そうだね。どうせ、直樹の事だろうから、雪斗を巻き込んで夜更かしでも、したんだろうね……」

ふぁぁ……、と欠伸をして横たわる藍。どんな姿も絵になるな……、藍って……。ちょっとダケで良いから、その可愛さを分けて欲しいよ。本当に……。

「………遅い。アイツらは、何をしてる!」

「会長……まだ三分も経ってないよ…」

要君が呆れた表情で時計を見る。

「……何だと!?俺は、一分を十分と感じてたのか……」

会長が、何故か落ち込んでた…。
それから、会長の『………遅い。アイツらは、何をしてる!』を五分事に言ってた。余りにも、しつこいので段々皆が会長を無視していく。

……30分経った……。雪斗達は、来てない……。

「30分経ったね…。じゃあ、部屋に行きますか」

蓮さんが、立ち上がり皆も立ち上がる。
………今、雪斗達の部屋の前。チャイムを鳴らしても出てこない。

こんな時の為に、蓮さんが雪斗達の部屋の鍵を持っていて、その鍵で雪斗達の部屋に入る。

「ちょっと、早く起き……」

蓮さんが、言いかけた時位に、私の後ろにいた風真君に目隠しをされる。全く見えない……。

「風真君?何も見えないよ…?」

「……お前は、何も見るな。ちょっと、お前ダケ部屋から出てろ」

風真君に、雪斗達の部屋から追い出される。少し見えたのが、鼻血を出して寝てる雪斗と、何かの雑誌。何で、私が出て行かないと…いけないんだろ……?

私が、ポツンと立ってると雪斗達の部屋から風真君達の声が聞こえてきた…。私は、部屋のドアに耳を重ねて、耳を澄まして風真君達の話を聞く……。