────チュンチュン

「ぅ……あ。………?あれ?何で、私ベットにいるんだろ?」

えっと……確か。昨日は、朝起きて、トイレに行って……。あれ?……記憶飛んでる……。

「まぁ、いっか。ぅーん!はぁ、風邪は完璧に治った」

よし。学校に行くぞー!
……………。
家を出たものの、ちょっとダルい。

「優花、おはよう」

「あ。愛美。おはよう」

「優花、昨日、あの後大丈夫だった?」

「えっ?何が?」

「えっ?昨日の男の子に……」

「あ。ごめん…。昨日の記憶全部飛んだんだよね。ごめんね?心配してくれて、ありがとう」

「全然大丈夫……。ねぇ、首にある赤い痕何それ?」

「それが、私も分かんないの……」

洗面所に行ったら首周りに四、五個赤い痕が付いていた。やっぱり、首だから目立つんだ。

「優花…。腰痛くない?」

「えっ?全然痛くない」

「なら、良いんだ」

てか、何で腰?

「そう…?」

「本当に、覚え…」

「優花、愛美おはよー」

愛美が話してる途中に雪斗が入ってきた。当然、愛美はそれで、機嫌が悪くなって。

「うるせぇな。この、ハエが」

「…………愛美、怖いよ。何で、そんなに僕の事イジメるの……?」

「私、今優花に確認してるの。昨日、お見舞いに来た奴が優花を襲ってないかって!!」

「えー?蓮は、そんな事しないよー?」

昨日、蓮さん来てくれたんだ。今日、お礼言っとかないと!

「昨日、私が優花の部屋に入ったら、優花がソイツに無理矢理キスされそうに……」

愛美が私の首を見てきた。

「えっ?何?」

「まさか……それ、キスマーク……?」

「何それ?」

「ちょっと見して…」

愛美が私の首周りをジーッと見る。

「あのクソ男……」

えっ?何?

「優花ちゃん、雪斗、海乃さん。おはよう」

噂すれば、人は来るって本当だ。蓮さんが、私達に挨拶した。

「おはようございます。蓮さん。あの、昨日、お見舞いに来てくれたんですか?」

「えっ?何で?」

「それが、私、昨日の記憶全部飛んでて覚えて無いんですよ……」

「あ……。そうなんだ。良かった」

ニコニコっと、蓮さんが優しく笑う。

「おぃ、お前。優花の首にキ…」

愛美が蓮さんに話しかけようとしたら、蓮さんが愛美の口を塞いだ。

「いやー。ちょっと、海乃さん黙ろうか」

蓮さんがアハハっと、苦笑いする。

「優花、首どうしたの?」

雪斗が私の首を触りながら聞いた。

「ひゃゃ……。雪斗!首触らないで!」

「ごめん…。で?どうしたの?」

「いや、それがさ。何も覚えてないから私もこの赤い痕が何で出来たのか分からないんだよね…。蓮さん、分かります?」

「ぅえっ!?おっ、俺知らないかなぁ…。アハハ……」

「ですよね……」

あー。まだ、頭クラクラする……。

「優花ちゃん、今日は明日のゴールデンウイークの準備を終わらせないとダメだからね?俺、手伝ってあげるよ」

「ありがとうございます」

助かる……。私が、ふふっと笑う。蓮さんは、私とちゃんと視線を合わせてくれた。でも、やっぱり周りの人達と同じく、すぐに視線をそらされる。

「えっとー。じゃあ、優花ちゃん。また、放課後ね!バイバイ」

「はい」

蓮さんが手を振ってくれたので、私も返す。その後、すぐ蓮さんは女の子達に囲まれた。相変わらず凄いモテよう……。蓮さんは、ちょっとだけ苦笑いする。

蓮さんがチラッと私の事を見ていた。視線が合ったので微笑むと、蓮さんは顔を下げて下をチラチラッと見てた。

「優花、おはよう」

藍が後ろから、私の髪の毛を触りながらニコッと微笑んだ。

「藍、おはよう」

エヘヘっと、藍が笑う。

「林檎どうだった?」

「それが、林檎の皮が合ったから食べたんだと思うんだけど、昨日の記憶全部飛んでて覚えて無いんだよね…。でも、藍が選んでくれた林檎は絶対に美味しかったよ」