春風とは、違う。夏風に近くなってきた5月に入りかけのある日。私は、ある発見をした…。実は……。

「風真くぅ~ん!今度デートしよぉ~」

ケバい女の子のハート付き語尾でデートに誘われる風真君。

「あぁ、はいはい。今度な」

風真君は軽く聞き流す。

「要君。今度一緒に勉強しない?」

清楚で綺麗な女の子に勉強に誘われる要君。

「分かった。今度ね」

要君はあまり気に止めてない感じで返事をする。

「直樹ぃ。今度、映画見に行こうねぇ~」

凄いチャラチャラしてる女の子にデートを誘われる直樹君。

「全然良いよ~。俺の予定が空いてればね?」

直樹君は手帳らしき物にメモしてる。

「蓮君。今度、いつ遊べるの?」

髪の毛をグルグルにしてる…。今で言う。盛りをしてる女の子に遊びを誘われる蓮さん。

「ごめん。近いうちは遊べないかな…。ごめんね」

誘いを断る蓮さん。

「ぁの、宮内君。今日、遊べる?」

オドオドとしてる女の子が藍に申し訳なさそうに遊びに誘われる藍。

「僕、やることあるし。後、僕は好きな人としか遊ばないから」

うわっ……!冷たぁ……。藍、相手の女の子が可哀想だよ…。

「雪斗。今日、遊ぼー!」

元気溌剌の女の子に遊びに誘われてる雪斗。

「ごめん。今日は、遊べないんだ。他の人を誘って?」

雪斗は、皆より優しく断る。蓮さんも優しかったケド。

「ねぇ、祐希。今日も遊べないの?」

会長の事を祐希と呼ぶ女の子。大人ぽい女の子。へぇ、会長の名前って祐希って言うんだ。

「だから、遊べないと、何回も言ってるだろ」

会長……。もっと、優しく言ってあげて……?
って……違ーーーう!!!

「何で、そんなにモテるの?!」

ビックリしちゃう。生徒会委員の皆を見かけるたび、絶対にデートや遊びに誘われてるんだ!何で……何で……そんなにモテるのよ?!

私は、最近見かける事を溜めて溜めて。放課後に生徒会室で皆の前で吐き出す。

「知らねぇよ…。耳元で叫ぶな。幼児体型」

こんな風真君のどこが良いんだよ…。ケバいお姉さん…。教えてよ…。

「特に、直樹君!何で見かけるたびに何であんな沢山の女の子にデートやら誘われてるの?半端ないモテ方だよね?!凄いよ」

私は、直樹君に吐き出す。有り得ない。女の子に囲まれて無い日が無いって本当に凄いよ…。

「でも、俺は優花ちゃんにダケにモテたいよ?」

「嘘は良いです。まさか、あの雪斗まで、モテてただなんて……」

「えっ?何か、それヒドくない?!」

「でも、雪斗がモテる原因俺は分かるよ」

蓮さんが入り込む。何で……?

「何でですか?蓮さん」

「雪斗は、外見も良いし。性格も良いからね。殆ど完璧にちかいよ」

そっ…そうなの?

「でも、藍がモテるって知ってビックリはしなかったな。藍、可愛いもん」

私が藍の方を向き藍に微笑む。……最近、視線を色んな人に逸らされる。

「僕はモテないよ。勝手に、女が盛り上がってるだけ」

「そんな事無いよ。藍は格好いいからモテるよ」

藍が下を向いて、私の方に流し目で見る。私の周りは風邪が流行ってるらしい。顔が真っ赤になる人がしばしば。

「そんな…事…無いよ…」

藍も、そのうちの一人。私まで風邪が、うつらないように気をつけよ。

「要君も会長も蓮さんも。生徒会委員の皆は、本当にモテますね!私なんか……。誘われた事が無いような……」

「ブハッ。マジかよ。幼児体型は色々大変だな」

「ぶぅ……。モテるからって調子に乗らないで!」

「いや、お前の将来が心配だわ。貰ってくれる物好きは、この世界にいるか?」

ギャハハっと、私を馬鹿にするように笑ってくる。いつも、風真君は、私を馬鹿にする。

「少なくとも、三人はいるよ」

藍が私の味方をしてくれたのかな?
あまり良い気はしないケド…。

「あぁ!!!その事だけど、俺変わった。優花ちゃん、ほら。ちょっとコッチ来て?」

直樹君がホレホレと手招きする。私が小走りで直樹君に近づくと腕を引っ張られて頬にキスをした。急すぎて反応をし忘れる……。

「………なんで?直樹が優花を……?」

藍が不満たらたらで直樹君を見つめる。

「ん?何か、ある事が原因で落としたくなった」

直樹君がニヤッと唇が右の方で口角が上がる。

「ぇっ?私、穴に落とされるような事しましたか?!」

どうしよ、私……。暗くて深い穴嫌いなんだけど…。

「違う、違う。優花ちゃんは、まだ意味知らなくて大丈夫だよ。……と、後は、蓮と要と会長の三人だ」

「そうだね。早めに僕の事を好きになってもらわないと…。直樹。君には絶対に負けないから。雪斗、風真も。絶対に君達には負けないから。覚悟しておいてね?」

藍が不適な笑みをする。皆は勝負してるの?何の?

「ハハッ。チビに負けるほど俺は、弱く無いんだよ」