「えー、じゃー、楽しい夏休みをねー!過ごして欲しい訳ですよー!私はー!」

なんで、学園長がお話しないの?なんで、教頭先生のタメ口で長い話を聞かないとダメなの?

「ちっ……、長いんだけど………」

隣にいる愛美が、愚痴を零す。私は、苦笑いを返す。

「ていうか、サボってもバレない位生徒いるんだね…。ここの学園って……」

私が、上から生徒の皆を見上げて呟く。

ざっと。……2000人?!って位、体育館の中に生徒がビッチリです。

「全校生徒何人いんだ?」

風真君が、1…2…3…4…5…と、1人ひとり数えていた。

「正確には、2026人だよ。……凄い多いよね……」

藍が、少し暑そうな顔をして、首もとのYシャツで顔周りを扇いでいた。

「………でも、なんか凄い中途半端な人数だね……」

雪斗が、頭の上に?マークを出していた。

「まぁ、だって…。退学になる人が、多いからね」

蓮さんが、ちょっと複雑な表情をした。

「退学ですか?」

私は、そんなに退学する人がいるのかな?と、思い聞いた。

「うん…。それがさ…、問題を起こした生徒達の退学の手続きの決定を決めるのが俺と会長なんだ」

「へ?」

「単純に言えば。俺達が、最終処分決定をして退学させてるんだよ。分かったか?優花」

会長が、サラリとなにかダメなことを言ったような気がする。

「……………………」

「問題、って言っても普通の学園や学校と少し厳しいだけだよ」

直樹君が、腕を上に伸ばしてから、私の方へ視線を向けて言った。

「どの位厳しいの?」

「学校の外で、問題を起こしたら即退学。学校の外で、お金問題も即退学。あ、かつあげ、とかだよ。後、部活の資金とかを無断で使うと退学。誰かに怪我をさせたら退学。喧嘩とか」

要君が、小さいメモ帳をズボンのポケットから取り出して。アクビをしてから、メモ帳の内容を私に教えてくれた。

「は?俺達、普通にアウトだろ」

尚矢が、冷や汗をかいた。

「バレてないだけじゃない?……それか、愛美のお陰か」

私は、愛美の頬をツンツン突っついた。

「私は、何も言ってない。じいちゃんが、多分、気づいてないだけ……」

「……けど、少なくとも、お前はバレてるだろ」

総長様が、ゴロンッと寝っ転がる。

「私は、じいちゃんとの約束を果たすためだからな。……まぁ、もう果たしてるようなものだけどさ……」

「約束?」

尚矢が、首を傾げた。

「海乃愛美と学園長の約束は。全国1位の暴走族になること。その約束を完璧に果たしたのは、この前優花が誘拐された時に…。チビと組んだことで、1位の暴走族になれた」

藍が、スラスラとなんでも分かっているのかのように言った。