ん……。あれ……?僕……。なんで…。ココ保健室のベット……?

「……藍?あっ、目覚めた?」

ん?夢?目の前に、優花がいる……。

「……優…花?」

僕は、ムクッと体を起こすと、優花に両肩を押されてベットに寝かされた。

「ダメだよ。まだ寝てないと。…藍、朝ご飯か、昼ご飯抜かした?」

優花が、厳しい表情で僕の顔をのぞき込んできた。少し、ドキドキしながら僕は答える。

「朝ご飯は、いつも抜かす……」

「ダメでしょ!特に、今日みたいに暑い日に朝ご飯を抜かしたら体調崩しちゃうじゃん!」

優花が、大声で僕に怒った。僕は、少しビックリした。あの優花が(まぁ、初めて会ったときは怒鳴られたけど…)、僕だけに怒った。

僕の事を心配してくれたのかな……?……嬉しくて、ニヤケちゃいそう……。

「ごめん…。心配した?」

「当たり前じゃん…。友達なんだから…。生徒会での仲間でも…あるしさ…。本当に、ビックリしたんだよ?」

……………。友達……か……。

「僕は、いつになったら優花に男として見てもらえる?意識してもらえるの?」

「……えっ?急に、どうしたの?」

優花が、本当に心配した顔で僕を見てきた。

「僕、早く優花に意識してもらいたい。そして、早く優花に好きになってもらいたい」

「ん?私、藍が好きだよ?勿論、愛美も雪斗も会長も。皆好きだよ」

ニコニコ優花が、純粋に微笑んだ。

……純粋な優花が、壊れる時がみたい……。

「……………」

「………ん?なっ……、ちょっ?!……んんっ?!」

優花の腕を、引っ張り後頭部に手を回してキスをする。

シた事が、無いから分からないけど初めてキスで舌をいれてみた。優花は、必死に僕から逃げようとしてるけど力が無さすぎ。僕は、ビクともしない。

僕が、夢中で優花にキスをシてると優花が抵抗しなくなった。…と、思ったら優花は気絶したみたいだ。

「……さすがにヤりすぎたかな?」

「……………」

クタァと、僕の腕の中で気絶してる優花。

「……早く起きないと犯しちゃうよー…?」

まぁ、起きるわけ無いか……。

「優花の事、寝かせないとね……」

僕は、ベットから起きて優花をベットに寝かせた。

「いつか、襲うから…。覚悟しててね…、優花…」

僕は、安らかな顔をして気絶した優花の顔を見て独り言を呟く。

って、ちょっと表現変になってる……。

「……優ー花?藍起きて……。あれ?藍、おはよう。なんで、優花が寝てるの?」

保健室に、雪斗が入ってきた。雪斗の、質問に僕は答える。

「僕が、起きたときに優花が座りながら寝てたからベットに寝かせてあげたの。落ちたら、可哀想でしょ?」

サラリと嘘を吐く僕。そして、サラリと嘘を信じる雪斗。

「そっか。ありがとう。藍。やっぱり、藍は優しいね」

ニコニコと雪斗が、優花と同じように純粋に微笑む。ちょっと、罪悪感を覚えつつ。

「いーえ」

「ハハッ。優花、よだれ垂らして寝てる……。本当に、小さい頃から変わってないな……」

よだれの種類は、変わってるけどね。

雪斗は、優花の口についてる、よだれをティッシュで拭いていた。

「早く、優花起こして帰ろう?今、何時?」

「ん?七時だよ」

僕、そんなに寝てたんだ……。って、そんな長い時間を優花は、ずっと僕の隣にいたんだ……。凄い、酷いことしちゃったよ……。

「優ー花。起きてー」

気絶してるのに、起きるかな?

「ん……。あ!私、寝てた?!って、藍!おはよう!」

…………。さっきも、話してたのに…。まぁ、さっきのが夢と思われるなら。

「おはよう。優花、ありがとう。僕のずっと、側にいてくれて」

「いーえ。でも、寝ちゃったな…」

優花は、落ち込んでいた。

「大丈夫だよ。優花の寝顔見れたから」

「えっ?!見たの?!」

「そりゃあ、見るよ。ベットで、寝てたんだから」

「だっ、だよね……。あっ!藍!赤組、優勝したんだよ!」

「へぇ、やったね」

「うん!」

僕が、優花の頭を撫でると優花は、ふふっと優しく微笑んだ。

「じゃ、じゃあ、もう帰ろっ!優花、藍!」

雪斗が、優花の手を握って立ち上がった。優花は、上靴を履いて立った。

「そうだね」

僕も、立ち上がる。それと、同時に優花と雪斗は歩いて保健室から出て行こうとした。僕も、遅れないように二人のスピードに、合わせようとすると。

「藍、大丈夫?ゆっくりで、大丈夫だからね。私が、ついてるから!」

「……うん。ありがとう」

優花は、僕の手を握って保健室から出た。

玄関に行くと、生徒会委員の皆と、あの三人がいた。男勝りの女と、チビと、ノッポ。

優花は、僕の靴まで用意をしようとしてくれた。さらに、家まで送るよとまで。

さすがに、襲っちゃいそうだったから断っといた。