「あぢーー、死ぬーー」

尚矢が、学校指定Tシャツをパタパタして仰いでいた。

「早く死ねー」

「どっか、逝けー」

「お前が、逝けー」

「消えてしまえー」

「テメェが、消えてしまえー」

「もう、2人とも!」

藍と尚矢が、無表情で喧嘩をする。…と、言うより、何かもう小学生低学年の喧嘩みたい。

「お前ら、端から見るとバカだぞ?」

「全教科赤点までギリギリセーフだった君には言われたくないから」

藍が、総長様を睨み付けた。総長様は、溜め息を付いて藍に睨み返す。

「うっせぇな…。男は、勉強じゃなくて!体力だよ!ガリガリオカマ!」

「頭も良くなかったら、相手の女の子にバカバカにされるけどね」

「バカを強調すんな!オカマ!」

「チビ」

「なっ……!」

総長様が、顔を真っ赤にして怒った。

「はい、はい、はい、はい!喧嘩は、ヤメなさい!」

蓮さんが、藍と総長様の間に仲裁に入る。藍は、平然としていたけれど。総長様は、まだお怒りが収まってない様子。

「喧嘩なんて、バカらしいからヤメろ」

「夜桜組の総長だった奴が何言ってんだよ。すんげぇ、説得力無いぞ」

総長様が、愛美のボケ?にツッコむ。

「この喧嘩と、あの喧嘩を一緒にすんなよ」

「あーもう!体育祭の最中に、喧嘩しないの!」

雪斗が、総長様と愛美の頭を軽く叩いた。

「「ぃってぇな!」」

「えっ?軽く叩いたんだけど…」

「お前は、力の加減を考えろ!ノッポ!」

「今度、締めっからな……」

「えっ?本当に、軽くだっ…」

「雪斗、面倒くさいからヤメとけ」

風真君が、雪斗の肩を叩いた。

「いった!風真、ちょっと痛いんだけど!」

「うるせ。コレが、俺だ」

「うん!意味分からないね!」

「おい、ヤメろって」

要君が、雪斗と風真君の足を蹴った。しかも、結構強く。

「いってぇな!要!」

「酷いよ!要!」

「うるさいな。体育祭、もう始まるのに喧嘩してる2人が悪いんだよ…。珍しく、直樹は黙ってるのにさ」

「珍しくって、酷くない?!俺だって、そりゃあ黙るよ」

「直樹は、黙ってる時が無いじゃん」

「ひっでぇーー!!要、本当に酷ーーい!!」

「あーーー!!!もう!!!本当に、お前ら黙れ!!!!」

会長が、大声で叫んだ…。と、言うより怒鳴った。

「お前らは、小学生以下か!今日位、黙って校長の話を聞けっ!!」

「「「「………………」」」」

皆が、黙りこくる。……てか、そんな事言える立場じゃないよね…。会長……。

「今開いている。開会式を堂々とサボってそんな事言っても説得力マジで無いぞーー!」

そう。私達11人皆は。開会式を屋上で、サボってます。…理由は、面倒くさいから…だって…。

本当に生徒会委員?普通は、生徒会委員らしく開会式位出ようよ……。って、私も一緒にサボっているので、説得力はほぼ0に近いんだよな…。