「えっと、な。女子はチアガール…?で、男子は、学ラン…?だ、そうだ」

「それは、衣装が?」

「まぁ、そうだな。衣装だ」

「ふーん……」

「チアガール……?……ポンポンのやつ?」

私は、イマイチ分からなかったから皆に聞いた。

「そうそう。ポンポンのやつ」

愛美が、適当に紙を見付けるとそこに何かを書き始めた。

「何書いてるの?」

「ん?チアガール……」

「…………?!」

えっ。ちょっ、ちょっ、……。それが?……何か、幼稚園児が書いてるような絵何ですけど……。何て言うか、グチャグチャ……。

「ほら、これがチアガールだ」

愛美が、自信満々にチアガール?を書いた紙を見せてきた。その絵は、皆にも見えてたようで……。

「ぶはっ……!!!何だよ。それっ!!幼稚園児以下だろっ!おまっ…!ぶっっ……!!」

一番最初に笑ったのは、尚矢。お腹を抱えて、笑ってる。

「くっ、ふふふふっ……。アハハハ……。愛美、ヤバい……」

次に笑ったのは、雪斗。涙を垂らしながら笑ってる。……いや、雪斗!アナタ、命の危機がありますよ?!

「何だと!!幼稚園児以下とか、失礼だ!!訂正しろ!!」

「むっ、無理だし。マジで幼稚園児以下の画力だから、その絵っ!!」

「なっ……!!!」

眉間に皺を寄せる愛美。雪斗は、直ぐに笑いを止めたが、尚矢は止まらない様子。

「なっ、尚矢!早く笑いを止めて!!!!」

「なっん、でっだょ!…くふっ、むっ、無理に決ま、まってんだろ!!」

「命の危機が迫ってるんだよ!!尚矢!」

愛美の後ろから黒オーラが、溢れ出していた。私と雪斗の、オデコに冷や汗が垂れる。

「……がふっ……!!」

ゴンっという鈍い音と同時に。尚矢が、急に前に倒れてきた。私は反射的に尚矢を抱き止める。

えっ……?なっ、何があったの……?尚矢、意識無くなってるし……。

「ふぅ……」

総長様が、手をパンパンっと払ってた。……まっ、まさか!総長様がっ!?!

「ちょっと……。総長様……」

「うるせぇから、黙らせたダケだ……」

「そんなに背低いのに……。ドコから、そんな強大な力が……」

「お前さ!いつも、いつも、いつも!一言どころか、二言、三言多いんだよ!!」

「…………?」

「バカは、理解出来ねぇよ!バカ女!」

「なっ!!総長様の好きな人バラスよ!!」

「まっ!!ふっ、ふざけんな!!糞が!!」

「2人とも、ケンカはヤメな……」

愛美が、私と総長様の間に仲裁に、入った。

「チッ………」

「ふんっ………」

「こんな性悪女のどこが良いんだよ。…胸も小さいのに……。よく尚矢コイツの事、押し倒せたな……。キスなんて、普通出来ねぇし……」

総長様の一言で。生徒会室に入っている皆の空気がピッキーンと凍る。

「押…」

「し…」

「倒…」

「し…」

「た…」

「だ…」

「と…?!」

「「「この男殺す!!!!!」」」

生徒会委員の皆の声が重なる。皆が、私が支えている尚矢に近付く。

「なっ、何?どうしたの?皆……」

「「優花ちゃん」」

「「そこの男」」

「「渡して?」」

「早くしろっ!!!」

直樹君と、蓮さんの声が重なって。藍と、風真君の声が重なって。雪斗と、要君の声が重なって。最後に1人で、会長が叫んだ。