「優花、図書室に集合だって」

藍が、私の肩を軽く叩いて私を呼ぶ。

「あっ、分かったよ」

「じゃあ、行こう」

「うん!」

私達は、一階にある図書室に行った。そこには、要君と直樹君。愛美と雪斗に。何故か総長様と、尚矢がいた。

「あっ、総長様と尚矢だ。……何でここに居るの?」

「梓が、海乃について行くってきかないから仕方無く俺もついて来たってだけだ。別に、お前が来るって聞いて来た訳じゃないからな」

ちょっと、酷いな……。尚矢……。

「そっ、……そう。……要君、隣座っても良い?」

「うん。良いよ」

要君は、優しい笑顔を浮かべた。私も、要君に笑顔を向けて要君の隣に座った。

「要君って、頭良いんだよね?」

「そんな事無いよ」

「えぇえ…。嘘だぁ。藍が、頭良いって言ってたよ。ねっ?藍」

「まぁね。…僕は、絶対に要には勝てないよ。テストの点数は」

「……“は”?……テスト以外は、勝てるって聞こえるのは気のせい?」

「さぁね」

「お前ら、図書室で喧嘩すんなよ。迷惑だろ」

尚矢が、意外に優等生ぽい事を言った。

「でも、僕達以外誰も居ないけど?」

「オカマ、俺はお前より年上なの。先輩なの。分かる?何で、タメ口なんだよ」

「オカマって言うな。糞」

「うるせっ。オカマ」

「ノッポ。竹。電信柱」

「チビ。アリ。オカマ」

「ちょっと、ヤメなよ。2人とも」

雪斗が、苦笑いしながら、藍と尚矢の仲裁に入る。

「そうだよ。…尚矢、子供じゃないんだから。後輩には、優しくしないと!」

私は、尚矢に向かって消しゴムを投げた。

「……ぅあぶっね。……急に投げんなよ……」

「ゴメン、ゴメン」

「本当に、コレだから今の二年は……」

尚矢が、愚痴ってる時に、残りのメンバーが図書室に集合した。

「ゴメン、遅れた」

「わりぃ、昼寝してたら遅くなった」 

「悪いな。…約束自体忘れてた!」 

「はぁ……。じゃあ、自分達でまず勉強して、分からない所は分かってそうな人に聞いて」

「「「りょーかい」」」

私、何から勉強しようかな……。

「数学から。勉強しよっと」

「優花、分からない所があったら、教えてね。俺が、教えるから」

要君が、私の頭を優しく撫でながら言った。

「ありがとう」

私は、要君に微笑んだ。その後、教科書を取り出して、自分なりに勉強をしてた。でも、やっぱり分からなくて…。 

「……ぅーん」

「どうしたの?」

「ココ、分からないんだよね……」

私は、要君に助けを求めた。要君は、『ココは、こうやって解くんだよ』と、教えてくれた。……流石、頭良い人!説明が分かりやすい!

「凄い!要君、説明上手だね!」

「ありがとう。……そうだ、優花、あっちに数学の勉強が分かりやすく説明されている本があったから、一緒に取りに行かない?」

「本当?…行く行く!」

要君は、席から立ち上がって本が沢山置いてある所に歩いて行ったので、私も要君について行った。