「優花、おはよう。今日も、可愛くて襲いたくなるよ」

藍が、サラリと恥ずかしい事を言う。私は、思わず赤面してしまう。

「ぁっ、ありがとう……?」

「優花ちゃん、大好き!俺の事好きになって!」

直樹君が、藍を押しのけて私に抱き付く。私の体温は、さっきに続き上がっていく。

藍に続いて、直樹君まで……。
あれから、一週間経った。ちょっと暑くて、でも地味に涼しくて…。

でも、私はこの時期は、結構好き。変だって言うかも、しれないけど…予想出来ないから、楽しい。

「優花ちゃん、おはよう。…直樹、君は一回消えようか?」

蓮さんが、誰もが振り向いてしまう位に格好いい笑顔で怖い事を言う。

「優花、おはよう。……………」

要君の無言の圧力は怖いと最近改めて感じさせられる…。

「優ー花!おはよー!」

雪斗は、直樹君を引き剥がして私の事を抱き上げる。て言うか、私が挨拶するタイミングが無いのは気のせいかな…?

「幼児体型、はよっ」

風真君が、私をバカにするような顔で挨拶をしてきた。でも、その笑顔はどこか暖かいと思ったのは私だけ……?

「優花、おはよう。……男共、後十秒以内に、私の優花から離れろ。じゃないと、命は無いからな……。10、9、8、7、────」

愛美の腹黒笑顔のお陰(?)で、皆は一応離れてくれた。

「後、今から優花に一本でも指を触れてみれよ?……瞬殺するから……」

そう言えば、愛美、皆に裏の顔を見せるようになったな……。

「何で?…好きな人に触れたいと思うのは、自然な事でしょ?…コレだけは譲れないから…。海乃愛美さん?」

藍が、愛美の目の前に立つ。愛美の殺気も凄いけど藍の自信も凄い……。

「気安く、私の名前を呼ぶな。女顔」

「僕の事をバカにした事を後悔するよ?海乃愛美…」

「ふっん。…どうだか…。それに、知られて困るような過去は無い。合ったとしても、優花と雪斗は全部知ってる…」

「君の今の好きな人を、全校生徒にバラしても良いんだよ?」

「はっ……?私の好きな人は、誰にも言ってない。優花にも、雪斗にも。だから、知ってる人は…」

「僕のデータは、確実だ。名前だけでも、バラスよ?」

「じゃあ、言ってみろよ」

「あずっ…」

藍が、サラリと言おうとしたら愛美は、藍の鳩尾を殴り、どこかに消えていった。

「藍?!大丈夫?!」

愛美に、鳩尾を殴られたら息どころか、気を失うんじゃ……。

「…大丈夫…」

チュッと、私の唇にキスをする藍。私は、ビックリして目を見開く。

「お前、相変わらず怖いな…。それに…。何、堂々とキスしてんだよ!糞が!」

風真君が、藍の胸ぐらを掴む。

「ダメ?…会長が、あの行動したんだから、もう手出したらダメとか規則無いじゃん。…僕の言ってること間違ってる?」

藍は、風真君の手を振り払って鞄を拾った。

「本当に……マジでお前ウザイ……」

風真君は、鞄を持ち直す。今気づいたケド、さっきから周りの人の視線が痛い。

まぁ、当たり前だ。……私の周りに居る皆は、世に言う『イケメン』なんだから。
その『イケメン』が、何故か地味な女の子を囲んでるんだ。何事か不思議に思うのが、普通の反応だと思う……。