私は、目の前の光景を疑う。顔を真っ赤にする、会長…。私の唇には、会長の冷たい唇が重なってる。私は、衝撃的過ぎて思考停止してしまう。

「……………」

「ぇっと……。まぁ、そういう事だ!」

「いや、どういう事ですか?!」

会長が、顔を真っ赤にして言った。

会長の言動には、毎回驚かされる。私のファーストキスを奪って、まぁ、そういう事だ!って、言われても意味が分からないから!

「分からないのか?!…優花は、とんだ、鈍感だな!」

「もう、それで良いですから。意味を教えて下さいよ!私のファーストキスを簡単に奪わないで下さい!」

「優花ちゃん、これは生徒会の決まりなんだ。さっき会長が、した事が、ある行動なんだよ…」

「ある行動…?何で、そんな事するんですか?」

直樹君に、私の疑問をぶつける。

「生徒会メンバーになった男の子達は相談をして、女の子を一人1ヶ月の間に途中から入れないとダメなんだ。ただし…特別な女の子」

「特別な女の子…?」

「生徒会に入れる女の子は…。何か、人と違う特別な事をした子。優花ちゃんは、初めて会ったとき、会長や俺らにキレたでしょ?」

「あぁー……。そう言えば……」

出来れば思い出したくない、最悪の出会いだったね。あれは…。

「それで、皆が少しでも、その女の子に興味を持てば生徒会メンバーに入れるんだ。ほんの、ちょっとで良いんだ。俺は、最初から気になってたけど!」

「嘘付くな。会長と雪斗以外皆最初、気になってねぇよ。ほんの、ちょっと記憶に残る位の女だったから、俺達は賛成した。皆が、お前の手の甲、オデコ、頬の三種類の場所にキスをしたよな?あれも、意味あんだよ」

風真君が、直樹君の言ったことを訂正して、分かりやすく説明をし始める。

「まず、手の甲にした奴は、その女が入っても別に良い。まぁ、まだ、あまり興味がない。オデコにした奴は、その女に興味を持った。…で、頬にした奴は、……。皆してるよな?…その女が好きって事だ。会長は、頬にする代わりに、口にする…。鈍感なお前でも、流石に分かるよな?皆…お前が好きなんだよ。勿論、恋愛として、愛情として…。俺もな…」

風真君は、顔を少し赤くして私に説明をしてくれた。

ココまで、言われたら流石に分かる…?のかも…?ちょっと待って?

「ぇっ?と、あまり?いや、理解出来てる?けど?ぁっ、あれ?」

一気に沢山言われて、私の頭はショートをおこす。

「単純に言うと、生徒会メンバーの皆、優花の事が好きなんだよ?」

雪斗が、サラリと言う。

「………えぇぇえ?!そうなの?!」

「反応遅っ!?お前、大丈夫か?」

風真君が、物凄くビックリしてた。

いや、だってさ?私、全然好きって行動された覚えが無いんだけど?!急に言われたら、ビックリするんだけど?

「いや、だってさ、風真君なんか特に、私にちょっかい出すだけだったじゃん?」

「あのね?…優花が気付かないだけで、皆してたよ?」

藍が、苦笑いしながら私の目の前に来る。

「…………?」

「後、会長が、あの行動をしなければ、僕達は優花に手を出せないんだ…。で、もう会長は、あの行動をしたから皆は、優花に手を出せるんだ。……覚悟してた方が良いよ?皆、本気出すから」

藍の笑みは、凄い…、怖かった。あの、余裕の笑み…。怖いよ。

「……………」

「でも、今日は、出さない。皆、ちょっと疲れてるから。無駄に、神経使っちゃって…。明日から…よろしくね。優花…」

藍は、私の頬にキスをした。
頬にキスをした人は、その女の子の事が好き…。…皆、私の事からかってるのかな?
本当に…皆の思考が見えないんだ…。

次の日から私の生活は、信じられない程に変わった…。