クイの作る食事は美味い。 「味噌汁……神……」 和食限定ではあるが、その腕前はプロ級だ。 「ねーねー臨」 臨の前に座ってにこにこしながら、クイはさっき回ってきた回覧板を開いた。 「俺、お祭り行きたい!」 今週の土日、近所の神社で祭りがある。 県で一番だか二番だかに広い境内に植えられた桜たちが、今ちょうど見頃だそうだ。 「別に良いけど」 「ほんとっ?」 うわー目ぇきらきらしてるよコイツ。 「じゃあ臨も土日開けておいてねっ!」 「………はい?」 え……? 一緒に行くの? え??