『ねえ、臨だよね?』 すがるように問われて、思わず頷いてしまった。 『…っ』 『え、ちょっ』 何で泣くの。 尋ねる前に、飛びつかれた。 『臨だっ!ほんとに臨だぁ…!』 『え、なん、ちょっと!』 会いたかった、と、少年は泣きながら繰り返した。 『ね、俺だよ。クイだよっ!』 『えっと…』 あなた、誰ですか。 臨の質問に、クイという少年は体を離して困ったように笑った。