その夜は、サークルの飲み会だった。 酒に強い臨は、早々に潰れた先輩を送ってから帰ったため、自宅に着いたのは深夜だった。 自宅の前の電柱。 ヒトが座り込んでもたれている。 まさかとは思ったが、素通りしてそこで死なれたりしても困るので、臨は恐る恐る声をかけた。 『あの』 ぱちり、そいつは目を開けた。