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.。*†*。. 一結Side .。*†*。.





玄蛇が〝ネズミ狩り”を宣言してから数日経った。


それからあたしはこまめにニュースをチェックしている。


あたしには“ネズミ”の正体が分からないから。


それらしい事件が報道されてないか。


今日は都内の某所でバラエティ番組の収録がある。


一時間の枠のうちゲストとして呼ばれたあたしが出るのは半分の30分ほど。


結構大きな仕事だと思う。


控え室でヘアメイクさんに髪をヘアアイロンで巻いてもらいながら、食い入るようにテレビのニュースを眺めていると


「you、最近ニュースばかり見てるわね。前はテレビなんて全然見なかったのに。


どうゆう風の吹き回し?」


ソファに座ったマネージャーが怪訝そうに聞いてきて


「いつクイズ番組に出演してもいいように勉強してるの。時事問題よ」


と、あたしはテレビを見ながら適当に答えた。


「あら意欲的ね♪」


マネージャーは喜んでたけれど、ホントのところはそんな理由じゃないし。


今はクイズ番組に出演したいとか、能天気に考えてる場合じゃない。


―――何と言ってもリアルに二人の命が掛かってるわけだから。


でも数日間ニュースを見ていても、それらしい事件は起こっていない。


それとも玄蛇はニュースにならないように、うまくやるのかしら。


TRRRR


突然バッグの中でケータイが鳴り、あたしは近くにあったバッグを引き寄せた。


イタリアのブランドで秋冬の新作デザインのバッグ。


一個100万円近くするバッグをこないだ鴇田に買わせたばかりだ。


『お前まだ未成年だろ?こんなものが似合うのか?』と最初は渋っていたけれど、


結局あたしの「買ってよ」と言うストレートなおねだり攻撃にやられてか、渋々購入。


マロン色がきれいで気に入って欲しくなった。手に入れた新作バッグにはやっぱり響輔がくれたテディがくっついている。


ちょっとちぐはぐだったけれど、マネージャーに「そのバッグにそのクマは合わないんじゃない?」て指摘されたけど


いいの。


だってこのテディは響輔がくれたものだから。


チャームの留め金がゆるかったのか、ケータイを取り出す際にそのテディが



ころん



床に落ちた。







何だろう



すごく





嫌な予感。