「龍崎くんて女の子の誰もが一度は通る道だよね。


女の子は一度は好きになるの」


「一度は好きになって??」


まぁあいつ黙ってりゃかなりの美少年だからな。


そいやリコもエリナも一度は戒のこと好きになったよな~…


もうだいぶ前の話だけど。


「典型的な王子さまタイプだよね、龍崎くんて」


「そっかぁ?」


あたしは最初のイメージはひ弱メガネだったけどな。


「世間一般的な女の子はだいたいああゆうタイプを好きになるもんだよ」


とエリナに言われて、


「あたしゃ世間一般的でないんかい!」と思わず突っ込んだ。


エリナは苦笑いを返して


「でもこう言っちゃなんだけど、みんな龍崎くんの見た目に惹かれるって言うかさー」


「まぁそうだな、あいつは似非王子だ。


てかヤクザだ。みんな騙されてる」


「そうゆうんじゃなくて、女の子の求めてるただ優しい王子さまじゃないの。


龍崎くんは好きな人には全力でぶつかっていく人だし、そのときに


厳しくもなる人。


嫌われるかもしれない、ってことを恐れてなくて、ただまっすぐな人なんだと思うよ?」


ただ―――まっすぐ……


「龍崎くんはリコのこと大切だからぶつかったんだよ。


好きになる女の子は大勢いても、きっとぶつかる女の子は少ないよ。


だって




それが龍崎くんで、それが龍崎くんの優しさだから。



そうやってぶつかっていって女の子は心も成長できるんじゃない?


って、あたしが言っても説得力ないかぁ」




エリナは言った後になって後悔したのか「えへへ」とごまかし笑い。



でも



エリナの言ってること



何となく分かった。