パソコン、パソコン……てどこにあるんだ??


キョロキョロと辺りを見渡すと、大きなベッドが目に入ってあたしは思わず目をそらした。


ベッド……


けど…


ん゛??


布団がまくりあがっていて、その上に開いたままのパソコンが置いてある。


ぅわ!


何であんなところにあるんだよ!!


叔父貴はベッドに近づいてノートパソコンの蓋を閉じると、


「何か飲むか?」


と言いながらベッドを離れる。


と、とにかく何とか叔父貴から気をそらせなきゃ。


そいでもって何とかベッドに近づかないと!


なんてデンジャラスな任務!!


パソコンの方を気にしつつも、


「な、何がある?」


ぎこちなく聞くと


「冷蔵庫の中に何か入ってる。好きなものを取れよ」


叔父貴は腕を組んでソファに腰を下ろす。


すでに一杯やっていたのだろうか、テーブルの上に空のグラスが置いてあって


叔父貴はそこにブランデーのようなものを注いだ。


「冷蔵庫、冷蔵庫…」


冷蔵庫を探してるフリをしてさりげなく部屋の様子を伺いながら、やっぱりちらちらと視線はベッドの上のパソコンを気にしてしまう。


あんまり見たら訝しまれる。


スイートルームは主寝室とゲスト部屋みたいな部屋で合計二部屋からなっていて、奥のゲスト部屋に冷蔵庫があった。


わずかな壁があって、その隔たりの影に身を潜め


集音マイクをたぐりよせると、「マズイよ。パソコンはベッドの上だ」


あたしは早口にこの状況を報告。


『作戦を考えます。それまではベッドに近づかないように』


キョウスケから指示がきて、あたしは会話を終えると背後を気にながら


備え付けの冷蔵庫を開け、適当にアップルジュースの瓶を取り出し、戻ろうと振り返ると






目の前に叔父貴が突っ立っていた。