「それとも、心が来るのが嫌だった?あ~あ、喜ぶと思ったのにな~。なんなら今からでも帰って……」
「待てよ!せ、せっかく来てくれたんだし、いてもらっても……構わない……けど」
「ふふっ。素直に喜べばいいのに~」
本当は、心さんがウチに来てくれてすっげー嬉しい。この短時間で、心の中で何度ガッツポーズをしただろう。
「あっ!でも心と話したいことあるし、ごめんだけど心との時間は少しおあずけね?その間は……」
「俺が相手してやるよ」
いつの間に家に入ってきたんだろうか。背後から佐原先輩の声がした。えええ!?佐原先輩!?
「じゃ、サハあとはよろしく~」
そう言った姉貴は、コップとお菓子がのった皿を持って自分の部屋へ向かった。
「テキトーに座るぞ」
佐原先輩がリビングのソファーに腰を下ろす。なんでまた、よりによって佐原先輩と2人きりで過ごさなきゃいけねーんだよ。
「なに。そんなジロジロ見んなよ」
「み、見てないっすよ。……あの、姉貴が急に呼び出したんすか?」
「そーだよ。ったく、ブチ達と遊んでたってのによ」


