こいつみたいな奴らが言う
「国のため」とか「愛国心」だとか
いうものは、ただのエゴにすぎない。

「国のため」だとか言っておきながら、
破壊的なことしかせずに、
建設的なことは何もしない。

自国を破滅に至らせるのは、
結局こういう人間だ。

沙希がカッとなるのが分かった。


「そんな偉そうな口たたいて、
写真ばら撒いてもいいの?」

沙希は目の前に、
私とリカルドが写った写真を
ちらつかせた。


その頃はまだ、
カメラが普及しておらず、
一家庭に1台あるかないかの
高価なものだった。
きっと、沙希の家はそれなりに
裕福なんだろう。

この写真をばら撒かれるということは、
致命的なことだ。

私はその写真をジーッと見つめて固まった。

沙希はそんな私を見て、
ふっと鼻で笑った。