『リカルドはどこかに行って
しまったりしない?』


何という愚問。
周りを見りゃ、
この状況がどんなに厳しいか
くらい解るのに。



「行かないさ…」

少し自信なさそうな声色。
私は彼の肩にそっと自分の
頭をもたせ掛けた。


9月下旬になって、
やっと少し涼しくなって来て
日が沈むのも早まって来た。

私たちは長い間、
黙ってそこに座っていた。

空が段々オレンジ色に色付き始めた。