サンドイッチを食べ終えると、
ズボンのポケットから紙きれを
取り出して、
ビリビリに破いてゴミ箱に捨てた。

バラバラになった文字たちが、
焼却炉の高温で溶けて消え失せる
ところを想像した。

いずれその時が来るだろうけど、
心の中には深く刻み込まれて、
多少風化することはあっても、
消えることはないだろう。


水を浴びにお風呂に向かうと、
お母さんが出勤するところだった。

「今日はどうすると?
帰るとね、帰らんとね?」


何ヶ月か前までは、
リカルドのこともあんなに
歓迎していたくせに、
状況が悪くなると手の平を返して
こんなそっけない態度をとるように
なるなんて…

皆そうだ。
もう、こんな人たちとはいたくない。


『帰らない』