現実なんて、
見ようとしなくても
嫌でも見えてしまう。

向こうから追っかけて来る。
捕まってしまえばおしまいだ。
そいつは骨の髄までしゃぶり、
闇のように脳みそまで広がって食い荒らす。

そうなれば、
こっちはまともに物を考えられなくなる。
狂気の始まりだ。



部屋に入るとすぐに、
カバンに手当り次第道具を放り込んだ。

腹が煮えくり返りそうで、
せっかくリカルドが作ってくれた
牛タンと玉ねぎのオリーブオイル
酢漬けのサンドイッチも、
味わうことなく貪るように食べた。