黙ったまま、家に入った。

お父さんがいつものように、
落ち着きなくバタバタしていた。

どうして、もっと余裕を持って
行動できないんだろう?
自分のことで精一杯で、
こっちを見向きもしなかった。


お母さんが私に気付いて、
獲物を見つけた野生動物みたいに
噛み付いて来た。

「どこにいたとね、
一晩中帰らんでから!」

どうせ聞かなくても
分かってるくせに。


『リカルドのところ…』
「いい加減、現実ば見らんね」

私はそれを無視して、
わざとらしく大きなため息を吐いて
階段を上って行った。


「朝ごはんはいるとね?」
『いらない』