行ってきますと行ってらっしゃいの
印に右、左、右と軽いハグをした。


『気をつけて』
「うん、じゃあ!」


空はどんより曇っていた。
私は全速力で汗だくになりながら、
自転車をこいだ。

段差のたびに、
リカルドが持たせてくれた
サンドイッチがカゴの中で
ぴょんぴょん跳ねる。



家に近づくにつれて、
気が重くなって来る。

きっとまた、
ぐちゃぐちゃ言われるんだ。
もう、うんざり。


重たい足を引きずって、
玄関に向かう。