携帯小説~誰かのための予言~

「はやく、救急車を呼べ」

「だれかタオルを」



大人たちがミサを囲み、懸命に応急処置をしようとする。



私はその人の群れを押し分けて入ることもできず、遠くからぼんやりその光景を見守るしかできなかった。



血に染まった牛刀が、誰かの足元に転がっていた。