携帯小説~誰かのための予言~

「私が元木マヤとして学校裏サイトに書き込みをするようになってから、不思議なことが起こったの」

「不思議なこと?」

「そう。ある一部の生徒に対していやがらせみたいな。初めは下駄箱の中に画鋲を入れるとか、そんな程度だった。それがね、どんどんエスカレートしていって…」


アサコの顔が微妙に歪んだ。


「元木マヤと書かれた呪いの手紙が机の中に入れられたり、授業中に変な声が聞こえてきたり…」

「変な声?」

「ものすごく苦しそうな声で『恨みをハラシテヤル』とか」

「誰かのいたずら?」

「そうかもしれない。でも、当時まだ中学生だったし、実際自殺者が出たあとだったから、みんな神経質になっちゃって…。学校中が震え上がったの。トモの呪いだって」




再び稲光。

そして雷鳴。



停電は一向に回復しない。




私たちは暗がりの中、キャンドルの灯りだけを頼りに話を続ける。




「その頃、ある一人の女子生徒が、山木トモにひどい書き込みをしていたんじゃないかって噂されるようになって…」


「学校裏サイトに中傷していた張本人ってこと?」


「証拠はないわ。あくまでも噂ね。その子もトモも目立たないおとなしいタイプだった。二人は同じクラスで、初めのころは仲がよかったんだけど、学校裏サイトの書き込みがあってから二人は離れてしまったらしい。友達がほかにいなかったトモは完全に孤立してしまって…」


私は、山木トモのことを想像していた。

思いも寄らない中傷や噂に傷つき、友達までいなくなってしまったトモ。

彼女のことを考えると胸が痛んだ。




「トモが亡くなったのは中2の新学期が始まる直前。中1の終わりと言うのかな。中2になってもともとはトモと仲がよかった女子生徒が怪しいんじゃないかって噂が出てきて…。それで、その女子生徒は中3になる前に突然失踪してしまったの」