───ギュッ 「……え…?」 ふわっと優しく抱き締められた。 私がさっき投げた、クッションといっしょに。 「……なにもしねぇから…俺から逃げるな……」 冬哉は切なげな声でそう言うと、いっそう抱き締める力を強めた。 な、なに……? そんな声で言われたら、ムリヤリ振り払えない。 ズルいんだよ、冬哉のバカ……