唇は一瞬で離れて、私は物足りない感じがしてしまった。



「……なぁ、侑梨」



そんなことを考えていたら、冬哉が恥ずかしそうに口を開いた。



「ん?」



様子が変……?



「体育祭の後の後夜祭で花火が上がるだろ?」



……花火!



「うん。それ、聞いたことある」



この前、果世が『皐と見るんだ』って嬉しそうに話してたっけ。