【完】ヒミツの恋を君と。

晴が友達じゃなくなったら、あたし友達いなくなる!

想像しただけでプルプル震えるあたしに店長が顔を寄せる。





「…だからさ、バイトするよね?」


「バ、バ、バイトします!よろしくですっ!」





断りに来たのに……。

完全に店長のペースにハメられたあたしは、敬礼のポーズでそう口にしてた。






「でも…あたし大丈夫ですかね?女だし、イケメンじゃないし…。店長はどうしてあたしを?」






あたしの言葉を聞いた店長は、今までとは違う真面目な顔をする。






「俺はさ、本当のハルを引き出してやりたいんだよ」


「え?」


「桃佳ちゃんなら出来きそうだなと思ってね。あ、これ俺の独り言だから」


「……」





聞こえるか、聞こえないかくらいの小さい声だったけど、確かにそう言った店長。

さっきまでとは違うその雰囲気に、あたしは店長の表情をまじまじと見つめた。


でも、そんな雰囲気はすぐになくなって。




「桃佳ちゃんの力を借りて晴のツンデレを完成させたいんだわ。俺」


「……はい?」


「それと、何にも心配することないからね」


「へ?」


「桃佳ちゃんの身長は男ほど高くないけど、女子にしては高い方だし、手足も長いからカフェの制服も似合うだろうし、顔も十分OKだよ…それに……」


「『それに』?」






こんなに褒めて貰えるなんて嬉しくて、目を輝かせながら続きの言葉を待った。