“あたしのことは桃佳って呼んで!”


そんな風に言えなかったあたしとは正反対な性格の春。



席が隣だった春とは、その日以来、春が好きだという漫画の話しだけじゃなくて、たわいも無い話をするようになっていった。




そしてそれはいつの間にか学校内だけで終わらず、放課後、2人で一緒にファーストフード店で勉強したり、本屋に探索にいったり、他校の野球部の偵察に付き合わされたり…と。




春が一番最初に宣言した通り、あたし達は意外にも気が合って、毎日の様に一緒にいた。




春と友達になってから、あたしの世界は一気に色付いた。


一緒にいるだけで楽しくて、毎日毎日笑ってた。





二次元以外の楽しさも、友達と笑い合う幸せも、全部春が教えてくれた。


だから当然だったのかもしれない。




楽しい日々を過ごす内、あたしの春に対する好きの気持ちはいつしか“友情”から“愛情”に変わってしまっていた。





それに戸惑いを感じながらも、春の前ではいつも通りに振る舞ってた中学3年の時。



今度は、女の子の友達が出来た。