「ハルさんって、東京行くのやめたんだって?」


「うん、行く理由がなくなったからって言ってた」


「そうじゃないでしょ!行きたくない理由が出来たからでしょーが!このっ!」


「えへへ…」



あたしが避け続けた“晴の話したいこと”はこのことだった。



こんな幸せなことが聞けたのに、美月先輩とのことを聞かされると勘違いして、塞ぎこんでた自分が情けない。



そして、晴は、この2週間、祐樹先輩とだいぶんいろんな話をしたみたい。



祐樹先輩も晴もお互いの気持ちを分かり合えて、晴の養子縁組の解消もなくなった。



それを聞いて安心した。


晴の大切な人達はこれからも晴の傍にいてくれる。