晴は2週間の停学中。

外を出歩いてるのがバレれば、停学期間が延長されるか、下手をすれば退学になりかねない。


今だって、あたしのためにリスクを負ってる。



「俺が心配なんだよ。付き合うんだから、もう秘密とかそういうの無しにしないと」


「つ、付き合う?」


「付き合わねぇの?」


「付き合うよ!もちろんだよ!」



そっか、『好き』なんだから付き合うんだよね。


『付き合う』ってワードに胸がドキってなった。


単純なもので、そんな風に言われると、“晴の彼女なんだから、秘密はいけないな”とか思って顔をニヤつかせてしまう。



「あ、あのね……夏祭りの日、美月先輩に会った時、晴があたしを背中に隠したでしょ?その時、晴は美月先輩のこと好きだから、あたしの存在を知られるのが嫌なのかなって思ったの」


「あぁ、そりゃ知られるのは嫌だったよ。美月から祐樹にバレて、俺達の邪魔されるの嫌だろ?」


「……」


「“美月のいる所に祐樹あり”って感じなんだよ?そう言えば、美月がお前に嘘吹き込んだ日も、祐樹は立ち聞きしてたって美月が言ってたけど?」


「そ、そうなの!?」




だからか!

だから祐樹先輩は、晴と美月先輩が東京に行くっていうネタを使って、あたしを揺さぶったんだ?


あたしは美月先輩からも、祐樹先輩からも言われて、すっかりそのことを本気にしちゃったって訳で……。