《どーも、連絡してきてくれると思ってたよ》



心底楽しそうなその声に体の底から嫌悪感が溢れてくる。



「今すぐ、会ってもらえませんか?」


《え?怒ってるの?良かったじゃん?退学免れて。ラッキーだったね。感謝してよー》



バカにしたようなその態度に、嫌悪感が怒りになって込み上げてくるのを感じていた。



「会ってくれるんですか?会ってくれないんですか?」


《もう、桃佳ちゃんは怖いなぁ。いいよ、会う会う。じゃあ、今から言う所に来てよ》


「…はい」



祐樹先輩が指示したのは、あたしの家から歩いていける距離にある港。



電話を切った後、あたしは携帯をポケットに突っ込んで家を飛び出した。