【完】ヒミツの恋を君と。

やっとあたしの口元が晴の手から解放されて。

晴があたしの前に立ちはだかった。




見上げると、首から上もちゃんとイケメンの晴が怪訝な顔してる。

その顔があまりにも学校の晴の顔とは違ってるから、食い入る様に見つめてたあたし。




「アホみたいな顔で見んな!」


「へ?え?ご、ごめんなさい……」


「……お前つけてきたの?」





ギクっ!

そうだった。



このカフェで見つけたのはたまたまだったけど、最初は明らかに尾行してきたんだった!

我に帰ったあたしはそれがバレない様に必死で首を横に振った。





「ち、違うよ。ここあたしの家の最寄駅だしっ!」


「……」





晴は無言のまま眉間を寄せてる。





「ホントだよ。ここの店に入ったのも、店の前に飾ってるメニューの写真があまりにもおいしそうだったからで……」