【完】ヒミツの恋を君と。

晴を本気にさせてた美月先輩が羨ましい。




そう思えば思うほど、心に影が差す。




あたしには晴を本気にさせるそんな魅力はないから…。



「酷いです。祐樹先輩も美月先輩も…」


「え……」


「晴は普段、傍若無人だけど、親しい人への情は人一倍強いのに…きっと辛かったと思う」


「……」



無意識に目の前にいる美月先輩を責めてしまう。

多分あたしの嫉妬心がそうさせた。

だから、バツが悪くて俯くあたし。



晴に愛されてた美月先輩が羨ましい。

もしかしたら、それは、現在進行形かも……



「吉丘さんは、晴くんのことよく知ってるのね……」



ボソッと吐き出された言葉が聞こえてきて、顔をあげる。


さっきより、冷めたく感じる目をした美月先輩と目が合った。