【完】ヒミツの恋を君と。

そうだよ。

きっと、寂しいよね。



晴はそんなことを口にはしないけど。



晴は、本当の両親に恵まれなかった分、誰よりも家族ってものを大切に思ってる。


それは言葉の端々で分かってた。



以前、晴は、東京へ行く理由を、『俺が家から出れば、祐樹も落ち着くだろうし、みんなを危険にさらすこともなくなるから』って言った。



お姉さんや、祐樹先輩の幸せを守りたくて、自分は今の家族から離れることを決めたんだってその時思った。



きっと晴は、家族を失ってひとりっきりになることを覚悟してる。





「このままでいいのかな?」


「なにが?」


「…晴が一人ぼっちになるってのは、どうなのかな?って思って」





このままいけば、祐樹先輩とは離れられる。




でもそうなると、晴はお姉さんとも距離を置くことになる。


お姉さんは、晴が一番信頼してる家族なのに…。