【完】ヒミツの恋を君と。

「は、晴ありがとうね」


「…なにが?」





前を向いたままでぶっきらぼうな返事が返ってきた。

行動は優しいのに、なぜか不機嫌な空気をかもしだしてる晴。





「あ…あたしと一緒に行くことにしてくれてありがとう」


「……違うだろ?」


「え?」


「トウヤさんの暴走から助けてくれてありがとうだろーが?」


「え、あ…」


「まったく…お前は本当に危なっかしい。もっと抵抗しろよ。あの場面で目なんかつぶったらトウヤさんの思うツボだろうが?」


「え…で、でもあれってトウヤさんの冗談だよね?」





あたしの言葉を聞いた晴の眉間のシワがよりいっそう深くなる。


こ、怖い…。





「あれが、本気か冗談だったかはトウヤさんにしかわかんねぇだろーが!」


「そ、そ、その通りでございますよね…ごめんなさい!そして、ありがとうございます!」





あまりの恐ろしさに、勢い良くそう謝ったあたしを見下ろして、盛大に溜息を吐く晴。