【完】ヒミツの恋を君と。

なっ!?なっ!?



でもあたしはどうやらお姫様には向かないみたいで、それを優雅に受け止めることなんて出来ない。

思わず1歩身を引いたけど、手を握られたままだからそれ以上は下がれなくて。





「2人ともずるいなぁ」





そう言って立ち上がったのはトウヤさん。

あたしの目の前で、怖いくらい綺麗な顔で笑った。





「じゃぁ、オレはこっちもらおうっと!」


「…へ?」




トウヤさんの手があたしの顎に掛かかって、そのままクイっと持ち上げられた。


両手がふさがってるから、トウヤさんを制することも出来なくて、されるがまま。


トウヤさんがゆっくり近付いてくる。



口にキス!?



思わず目をつぶったその時、あたしの唇は温かさで覆われた。