【完】ヒミツの恋を君と。

目の前で、店長を中心にとんでもない話しになってる。



え、ヤダ!

もしもこの流れのまま、2人ずつとかになったら晴とお祭りに行けない。





「あ、あの…」


「よし!姫、姫に選んでもらおう!」


「うんそれがいいね…」


「だねー」





えっ?姫ってあたし!?


言葉を失ってる内に、3人のイケメンがあたしの前で跪(ひざまず)く。


そして、店長に右手を、リツキさんに左手を握られた。



あまりのことに、口を開いたまま言葉も出ない。


店長達が跪いたから、開けた視界。

その先に晴を見つける。

そして、その晴の隣には、いつの間にか塔子がいて…。





「じゃぁ、私はハルさんとカップルになろーっと!」





そう言って塔子は、晴の腕に腕を絡めた。

胸の中がモヤモヤ曇り始める。

春と春ちゃんのことを思い出した。



晴がもし、塔子を好きになっちゃったら…。


『あぁいう時は、素直に言っちゃえばいいのよ』


さっきの塔子の言葉が、胸にズンと乗っかかってくる。





「あ、あのっ!」





どうしようもなく焦る気持ちで口を開いた時だった。





「モカ姫、僕を選んでください」





店長がそう言った後。

右手に店長、左手にリツキさんが、チュッと軽くキスをした。


それはまるで、王子様がお姫様にするみたいに。