【完】ヒミツの恋を君と。

「おっ!準備は終わったかい?姫達」





扉をくぐると、すでに浴衣に着替えてる4人が一斉にこっちを向いた。


晴と目が合う。

ドキッと心臓が跳ね上がった。



晴かっこいい。


黒の浴衣が、晴の甘いマスクを引き立ててる。

そして髪型はイケメンバージョンのままの晴。

ジッと見つめるのは恥ずかしいほど、素敵だった。



……あれ?



ふと我に返ると、4人があたしをジッと見つめたまま固まってる。




店長に至っては、口までポカンと空いてる間抜け顔で。



あれ?もしかして変だった?かな?

やっぱりあたしにはピンクの桃の花柄は似合わない??



今さっき得た自信なんて、この空気を前にしてあっさり消え失せてしまった。





「モカ……なにそれ、めっちゃ可愛い」


「えっ?」


「モカいい!やっぱその浴衣似合ってるー」


「えぇっ!」


「うん、モカくん本当に可愛いですよ」


「へぇっ!」





気付けば、店長、トウヤさん、リツキさんに前方を囲まれてた。