【完】ヒミツの恋を君と。

でも、晴が喜んでくれるなら、す、素直に言ってみようかな?


悩んでる内に、立花さんはあたしの髪型まで整え始めて。




「はい!出来上がり!」





そう言って、立花さんはあたしを鏡の前に立たせてくれた。

そして見つめた鏡には見知らぬ誰かが……!?




「えぇっ!?誰これ?」


「紛れもなく吉丘桃佳さんですよー」


「あ、あ、あたしっ!?」




桃の花の浴衣にピンクの帯。

髪はアップにされてて小花の付いたUピンがアクセントになっている。


あたしの髪は肩まで付かないくらいの長さなのに、よくここまで可愛くアップ出来たなと思う。


そして、メイクってすごい!


目がいつもの1.5割り増しパッチリして見えるよ。



あたしが食い入るように鏡見てる間に、立花さんは自分の支度を済ませてた。





「桃佳、あたしのこと塔子って呼んでいいからね」





そう言った立花さんは笑顔で店への扉を開いた。


急な言葉にびっくりしたけど、今の立花さんの言葉を心から嬉しいと思う。





「ありがとう、塔子」


「いいえ、桃佳」





塔子があたしに、魔法をかけてくれた。


少し変身して、少し自信を持てたあたしはいつもより素直になれるかな?