「素直じゃないのは、桃佳も一緒だね」
「え?」
「ハルさんと桃佳、どっちも素直じゃないって言ってんの」
「そ、そう?」
「そうだよ、さっきどうしてハルさんにひとりで帰ってもいいみたいなこと言ったのよ?」
「だ、だって…それは晴は目立つのが好きじゃないから」
「その気遣いは逆にダメだって。素直に気持ち言って、頼られた方が嬉しいんだって、私、前に言わなかったっけ?」
「あ…そうだった」
視線を泳がすあたしを見て笑いながら、「ジッとしててよ」と、立花さんはビューラーをあたしの目元に当てる。
立花さんって人間観察が好きなだけあって、心理的な部分に詳しいな。
羨ましい。
「ああいう時は、素直に言っちゃえばいいのよ」
「素直にって何を?」
「そこは自分で考えてよ」
「……」
教えてもらえるって思ったのに…残念。
あたしに人間関係は難しすぎる。
ましてや好きな人のこととなると、どうしていいのか分からなくなる。
好きだから近付きたい。
でも、好きだから嫌われたくない。
素直な自分の気持ちぶつけるのは、嫌われそうで怖い。
「え?」
「ハルさんと桃佳、どっちも素直じゃないって言ってんの」
「そ、そう?」
「そうだよ、さっきどうしてハルさんにひとりで帰ってもいいみたいなこと言ったのよ?」
「だ、だって…それは晴は目立つのが好きじゃないから」
「その気遣いは逆にダメだって。素直に気持ち言って、頼られた方が嬉しいんだって、私、前に言わなかったっけ?」
「あ…そうだった」
視線を泳がすあたしを見て笑いながら、「ジッとしててよ」と、立花さんはビューラーをあたしの目元に当てる。
立花さんって人間観察が好きなだけあって、心理的な部分に詳しいな。
羨ましい。
「ああいう時は、素直に言っちゃえばいいのよ」
「素直にって何を?」
「そこは自分で考えてよ」
「……」
教えてもらえるって思ったのに…残念。
あたしに人間関係は難しすぎる。
ましてや好きな人のこととなると、どうしていいのか分からなくなる。
好きだから近付きたい。
でも、好きだから嫌われたくない。
素直な自分の気持ちぶつけるのは、嫌われそうで怖い。


