同居──


あの日はえらそうに『一緒に暮らそう』なんて言ったけど、今更ながらに気付く。


同居っていろいろ大変というか、なんと言うか……。





「うわっ……!」




まずい!

またベランダで、声をあげてしまった。


恐る恐る振り向くと、案の定、部屋の中にいる晴が、勉強の手を止めてこちらに振り向いてる。





「なぁ…自分の分は自分で干すけど?」





晴の言葉に思いっきり首を振った。





「ううん!晴は勉強してて!受験生なんだし!それに、ご飯はいつも晴が作ってくれるんだから、あたしは洗濯と掃除をするって決めたでしょ?」


「うん、でもお前の反応見てると複雑な気分になる……」


「だ、大丈夫だよ。パ、パンツくらいお父さんのとお兄ちゃんので慣れてるし!」


「……」





複雑な顔をしてる晴に、指でOKを作ってみせてから、洗濯かごに入った晴のボクサータイプのパンツを光の速さで干して見せた。



お父さんやお兄ちゃんのパンツなんてただの布切れだけど、晴のは違う。


なんていうか、本来はただの布なはずなのに、見るのも触れるのも、ものすごく照れる。




数日経ってもそれは変わらず、意識しすぎてる自分が恥ずかしい。