「ハル、もう痛みは治まったか?」
店長がシップを片付けながら、こっちを振り向く。
初めて俺を拾ってくれた日も同じ様に、腫れてるところにシップを貼り付けてくれたのを思い出す。
「大丈夫……ありがと…」
「うわっ!ハルが『ありがとう』とか、言うなんて!気持ち悪ぃな。明日は雪だな」
「……」
「嘘だよ、気にすんな。それよりその台詞はモカに言ってやれ!モカ今日のために、ものすごい頑張ってたぞ」
「…今日のため?」
「晴にグラタン食べてもらうんだって何度も練習してた。ここ最近モカの指バンドエイドだらけだったろ?いつか指を切断するんじゃないかって、見ててハラハラしたわ」
店長の言う場面が簡単に想像出来て、少し笑ってしまった。
あいつ、店長にグラタンの作り方教えてもらってたんだ?
俺のために…。
最初あいつがグラタンのレシピ本持ってた時は、あの“春”のために作るのかと思ってた。
あの日屋上で、真剣にレシピ本とにらめっこしてたあいつを思い出して、心が温められてくのを感じる。
店長がシップを片付けながら、こっちを振り向く。
初めて俺を拾ってくれた日も同じ様に、腫れてるところにシップを貼り付けてくれたのを思い出す。
「大丈夫……ありがと…」
「うわっ!ハルが『ありがとう』とか、言うなんて!気持ち悪ぃな。明日は雪だな」
「……」
「嘘だよ、気にすんな。それよりその台詞はモカに言ってやれ!モカ今日のために、ものすごい頑張ってたぞ」
「…今日のため?」
「晴にグラタン食べてもらうんだって何度も練習してた。ここ最近モカの指バンドエイドだらけだったろ?いつか指を切断するんじゃないかって、見ててハラハラしたわ」
店長の言う場面が簡単に想像出来て、少し笑ってしまった。
あいつ、店長にグラタンの作り方教えてもらってたんだ?
俺のために…。
最初あいつがグラタンのレシピ本持ってた時は、あの“春”のために作るのかと思ってた。
あの日屋上で、真剣にレシピ本とにらめっこしてたあいつを思い出して、心が温められてくのを感じる。


